スレート屋根を修理・リフォームする時は、まず「価格」や「方法」が気になるところです。経験がなければおおよその価格や方法もわからないからです。
ただ、工事費用だけを意識して業者を探してしまうと、手抜き工事や望まない結果にされてしまう可能性がありますので注意点も一緒にご紹介いたします。
目次
スレート屋根のリフォーム方法・価格・時期
スレート屋根のリフォーム方法は3つあり、塗り替え・屋根カバー工法・屋根葺き替え工事があります。それぞれの参考価格・施工時期は次のようになります。
- 塗り替え(塗装工事)
- 屋根金属カバー工法・・・既存屋根の上に金属屋根材を新たに工事
- 屋根葺き替え・・・既存屋根材を剥がして新たな屋根材を工事
モデルケース
屋根切妻 スレート(コロニアル)
屋根面積100㎡(約30坪)想定
別途足場代、諸経費
価格 | メンテナンス(修理)時期 | |
【部分補修】 コロニアル一部差し替え |
塗装時期に一緒に点検 1枚交換から可能 20,000円~ |
|
【部分補修】 棟板金補修・交換 |
塗装メンテナンス時期に一緒に点検 20,000円~ |
|
塗り替え ラジカル制御塗装 |
25万~30万 | 築10年~ |
塗り替え フッ素塗装 |
40万~50万 | 築10年~ |
シーガード 平板スレート専用屋根改修材 |
65万~75万 | 築10年~ |
屋根カバー工法 直葺き仕様 本体横葺き(断熱材付き) |
70万~80万 | 築20年~ |
屋根葺き替え 本体横葺き(断熱材付き) アスベストなし |
85万~95万 | 築30年~ |
※2000年初頭に施工されたノンアスベストタイプの屋根材は塗装メンテナンス・シーガ―ドメンテナンスはおすすめいたしません。施工はカバー工法か葺き替えをおすすめいたします。
ノンアスベストスレート屋根材の問題点
以前はスレート屋根材にはアスベストが含まれ、材料として安価で耐久性がよい材料として製造されてきました。
しかし人体の健康被害によるアスベスト問題により2004年までに石綿(アスベスト)を1%以上含む製品の出荷が禁止されたことによりスレート屋根材も改良されました。
このころの屋根材はもろく洗浄するとボロボロになるくらいですので築10年ぐらいで割れやヒビなどが出ているような状況ならカバー工法や葺き替えの検討が必要になります。
スレート屋根塗り替えと注意点
スレート屋根材はメンテナンス状況に応じてになりますが、基材耐久年数が20年~30年になりメンテナンスが必要です。
その為塗り替えが必要になりますが塗料選びには注意が必要です。
屋根は紫外線・雨・風の影響をもろに受ける場所です。さらに塗料の天敵は紫外線になりますので安い塗料材料は塗料の結合エネルギーが弱い為すぐに痛みが出ます。
その為にも質の高い塗料がおすすめです。
塗料材 | おすすめ度 |
---|---|
フッ素樹脂塗料 | ◎ |
ラジカル制御型塗料 | ○ |
シリコン塗料 | △ |
ウレタン塗料 | × |
アクリル塗料 | × |
屋根塗装工事は「縁切り」が必須
スレート屋根はスレートとスレートの重なり部に雨水が侵入しても抜けるように作られています。
しかし塗装工事によってその隙間が塗料でふさがれることがある為、ぬりおわりに屋根の重なり部をカッター等で縁切りする必要があります。
工事内容として2人で1日かかるほどです。
これを怠ると水が下地にまわり下地の痛み、内部結露、雨漏りにつながることがありますので、必ず職人さんに確認してください。
また「タスぺーサー」という部材をもちいて塗装工程途中に差し込んで施工するやり方もありますのでしっかり対応してくれる職人さんを選ぶことが必要です。
※ただ、隙間を確保できる状態の場合は縁切りが不要な場合はありますので確認は必要です。
ポイント優良職人は当たり前にやりますが、安さを売りにしている業者など施主様がわからないと思って縁切りを行わない業者もいっぱいることが現状です。
しっかり施工内容をお伝えする安心した職人さんに依頼致しましょう。
棟板金の状態確認は必須
棟板金とは屋根のてっぺんに取り付けてある板金材のことです。下地に釘で取り付けられてますが強風によりあおられ釘が抜けてきます。
塗装職人などは、板金工事専門ではないので見逃すこともありますし釘が抜けていてもそのまま塗って「みてみぬふり」をする職人も多くいます。
これでは補修しようとしても補修できませんので、しっかり対応してくれる職人に依頼が必要です。
もし下地が悪ければ下地交換、棟板金取り付け工事が必要になります。交換方法として下地を木材から樹脂材へ釘からステンレスビスへ交換したほうがより安心です。
※外壁メンテナンス前に棟板金が飛ばされたり、剥がれたりした場合は火災保険で対応できますので保険会社に確認をしてみてください。
またリフォーム後5年以内に棟板金が飛ばされると保険適応外になるケースがありますので、リフォーム時にしっかりした工事が必要になるわけです。
シーガード(平板スレート専用改修材)
シーガード(ガルバリウム鋼板)は古い平板スレート屋根(コロニアル)に強力な接着剤で張り合わせる工事でカバー工法の一種になる工法です。
既存の棟材・ケラバ・谷部・壁際雨押え・雪止めはそのままで施工できますので、コストが抑えられる屋根材です。
ただし既存部材(棟部、谷部、ケラバ、雪止め、雨押え部)は点検や塗装が必要になります。
メリット |
・接着工法で屋根に穴をあけず安心 ・丈夫で20年以上は塗り替え不要 ・既存部材使用の為コストが抑えられる ・工期がはやい |
デメリット |
・雨漏りしている屋根には使用出来ない (防水をよくする工事ではない) ・断熱効果は今の状況と変わらない ・多雪地域は施工不可 ・平板スレートでも施工不可な屋根材はある |
平板スレート施工適応メーカー
・平成18年(2006年)以降のケイミュー㈱製品(カラーベストシリーズ コロニアル)については対応可能です。
・働き長さ180mm~185mm以内の材料
※施工不可な屋根材
ニチハ(パミール)、大和スレート(ハイルーフ)、天然スレート、アスファルトシングルは働き幅、厚み、素材の適合から施工不可です。
ポイントシーガードは平板スレート屋根材であればどんな形でも工事が出来るわけではありませんが、対象屋根材であれば築年数が若いうちであればコストを抑えた屋根材としておすすめです。ただし、既存部材は新築時からの部材を使用していきますので10年に一度のメンテナンスは必要です。
スレート屋根材へのカバー工法と種類
屋根カバー工法は、既存のスレート屋根材に新しい金属屋根材を重ねるメンテナンスのやり方です。
工事費用と工事期間が抑えられるため一番採用されているリフォーム方法です。
ただ、下地(野地板)が痛んだ上に施工は出来ないので、長く住むようであれば早めに行うことがおすすめです。(目安築20年~25年)
さらにスレート屋根材がアスベスト含有であれば葺き替え工事になると処分費が余計にかかることからも早めのリフォームがコスト的にもおすすめです。
目安は築20年以降と当サイトも提示していますが、メーカー保証25年付く材料もあり築10年~15年くらいからカバー工法で行うかたもいらっしゃいます。
当サイトでもメーカー保証・メンテナンスコスト削減・遮熱性・基材耐久性・塗膜耐久性・重量・デザイン性・防火性・遮音性からみても横葺き金属材(断熱材付き)のカバー工法がおすすめです。
スレート屋根の葺き替え
過去に一度もメンテナンスをしたことなく築25~30年以上経過して屋根下地(野地板)も傷んでるようであれば葺き替えをおすすめいたします。
野地板まで剥がして新たな野地板を張り屋根を葺く工事です。
この場合もメーカー保証・メンテナンスコスト削減・遮熱性・基材耐久性・塗膜耐久性・重量・デザイン性・防火性・遮音性からみても横葺き金属材(断熱材付き)がおすすめです。
ここできおつけていただきたいのが、スレート屋根からスレート屋根工事の葺き替えは可能ですがメーカー保証が付きません。あくまでも新築工事の時だけしか保証が付かないのです。
このような説明もしないで、提案する業者もいますので注意が必要です。