塗装工事を行う上で塗料ってどれを選んだらよいのか?また塗料の耐久性、価格などさまざまあり迷われると思います。ただ知識をつければあなたが納得いく塗料で仕上げられます。
単純に「営業マンがいい人」、「値段が安いから」とかで選びますと後で後悔してしまう可能性がありますので、失敗しない為にも塗装の知識は必要です。
目次
塗装で大切なのは塗膜
塗膜とは
- 建物の保護・・・紫外線・風雨・塩害などから劣化要因からお家をまもる
- 建物の化粧・・・色彩・艶・模様で建物の個性を引き出す
- 建物の機能付与・・・低汚染・防藻・落書き防止・太陽光高反射
樹脂による分類
外壁・屋根用塗料の樹脂はアクリル樹脂、アクリルウレタン樹脂、エポキシ樹脂、アクリルシリコン樹脂、フッ素樹脂などにわけられ樹脂で値段の違いがあり耐久性も変わります。
塗料缶の中身は樹脂の違いで差別化を図っております。
外壁・屋根に使われている塗料は、一部特殊なものを除いてすべて樹脂が入っているといわれます。
塗料の種類・耐久性・価格
- フッ素樹脂塗料(メーカー AGC/エスケー化研/日本ペイント/関西ペイント)
期待耐用年数 15年~20年
単価 3500円/㎡ ~ 5000円/㎡ - ラジカル塗料 近年1番人気塗料
期待耐用年数 12年~15年
単価 2500円/㎡ ~ 3000円/㎡ - アクリルシリコン塗料 人気塗料
期待耐用年数 10年~12年
単価 2300円/㎡ ~ 3000円/㎡ - アクリルウレタン塗料
期待耐用年数 8年~10年
単価 2000円/㎡ ~ 2500円/㎡ - アクリル塗料
期待耐用年数 4年~7年
単価 1500円/㎡ ~ 2000円/㎡
*上記㎡単価は、塗料代金と塗手間(職人さんの施工費)が入ったものになります。
別途 足場代、コーキング工事代、養生代、洗浄代、は別途かかります。
*各塗装工事単価には500円~1500円の開きがありますが、下地の状態や職人の手間が変わる場合を想定しております。
塗料の天敵は紫外線
塗料の期待耐用年数は各種塗料が持つ結合エネルギーによって変わります。つまり太陽の最大紫外線エネルギーより各塗料の樹脂の結合エネルギーが低いと塗膜が痛み新築から数年が経過すると色褪せ変色が出てきます。
太陽の最大紫外線エネルギーは・・・411kj/mol
名称 | 期待耐久年数 | 樹脂が持つ結合エネルギー |
---|---|---|
アクリル樹脂塗料 | 4年~7年 | 約365kj/mol |
アクリルウレタン樹脂塗料 | 8年~10年 | 約379kj/mol |
アクリルシリコン樹脂塗料 | 10年~12年 | 約390kj/mol |
フッ素樹脂塗料(ルミステージ) | 15年~20年 | 約424kj/mol |
AGC資料より
上記数値から塗料の耐久性は環境も考慮した年数が想定されています。
塗料選択の参考になればと思います。
塗料のそれぞれの役割
既存外壁材や既存屋根材を塗装する場合工程ごとに塗料の役割があります。
下地の状態によって下塗り(プライマー)1回で終わらないケースもあります。つまり外壁・屋根の状態が悪くしっかりと密着性を出すために下塗り2回の(追加手間工事がかかる)ケースも出てきますので、早めのメンテナンスがおすすめです。
外壁サイディング(窯業系)の場合
下塗りの役割・・・サイディング基材と上塗りの密着性の確保
上塗りの役割・・・サイディング基材の保護
金属材(外壁材・屋根材)の場合
下塗りの役割・・・基材と上塗りの密着性の確保や錆止め効果
上塗りの役割・・・金属基材の保護
スレート屋根材の場合
下塗りの役割・・・スレート基材と上塗りの密着性の確保
上塗りの役割・・・スレート基材の保護
スタイルにあった塗料選び
♦今の外壁デザインを崩さない塗料選び
>新築時より好みの外壁のためイメージを崩したくない方は クリアー塗装
♦一般的に多く施工されている塗料選び
>コスト・耐久性と一般に多く選ばれている塗り替えは シリコン塗料やラジカル制御塗料
♦耐久性を求める塗料選び
>高耐久を求めて塗り替え回数を抑えていきたい方は フッ素塗料
まとめ!
塗料は紫外線が天敵でそれぞれの役割があり塗装が構成されています。
また樹脂の持つ結合エネルギーで耐久性に違いがあるというわけです。
このことからリフォームを考えていく場合予算と期待耐用年数とを照らし合わせてあなた自身のライフプランに合わせて決めることも可能です。